「厨房男子」上映情報

撮影スチールギャラリー

マンガ家 うさきこうさん撮影  第7回目撮影 5月2日(土) タイトル『美しき料理人のイタリアン』

マンガ家と超美形アシスタント

今日の撮影は、「厨房男子」に取り上げたメンバーの中の最年少(29歳)、 マンガ家新井祥さん(新井さんは「性別がない! ~両性具有の物語~①~⑮」「アジアをふたりで歩いてみた」などのマンガ本を多数出版しているベテランマンガ家)の住み込みアシスタントで、ご自身もBL(ボーイズラブ)マンガ家のうさきこうさん(ペンネーム)。監督の高野史枝さんがその超美形ぶりにすっかり惚れ込んで、「どうしても出演してほしい」と口説いたのが、この、うさきこうさん。(撮影中、監督は「こう君」と呼んでいたので、それに合わせて書きます)。こう君はロシア人の血が入ったクオーター。日本人離れした美貌はそのせい?
10年前、ギャグマンガ家新井祥さんは、名古屋デザイナー学院の講師を始め(マンガとデザインを教えている)、自分の教え子だったこう君をアシスタントにスカウト、こう君は新井宅に住みこんでアシスタントをすることになった。こう君自身も、アシスタントの傍ら、現在は名古屋デザイナー学院で教えている。
マンガを描く仕事をしながら料理を作る。一緒に住み始めて10年の歳月が過ぎ、こう君はついにBL雑誌の「ルチル」64号でデビューを果たし、料理の腕も大変に上がった。

今日の料理はイタリアン

10時ころ買い物に行くこう君。近くに激安のスーパー(スーパーヤマト西区平中店)があり、ここは魚や海鮮類が新鮮かつ値段もダントツに安いので、しょっちゅう行くという。スーパー内での撮影の許可も無事に取れたので、安心して撮影できた(実はスーパーなどで撮影許可を取るのは意外に難しい)。
彼のお得意料理はイタリアン。その理由の一つは、ここのスーパーで新鮮な食材が手に入るという理由があるのかもしれない。室内で坐ってする仕事は体力の消耗が少ないため、胃がもたれる肉料理はあまり作らないという。
買ったのは魚、ハマグリ、フルーツトマト、ソラマメ、ナス、玉ネギなど。メーンメニューはアクアパッツィアなので、迷った挙句大きめの金目鯛を一匹購入した。
スーパーでの撮影中も、その美形ぶりにスーパーの客の視線が集まって仕方がない。いつもこうだとすると、ハンサムも楽じゃないね…。

見事な魚のさばき方

帰宅後早速台所に入り、料理の仕度を始める。今日のメニューは
 1.ソラマメのスープを作り、冷蔵庫で冷やしておく
 2.金目鯛をさばき、野菜と合わせてアクアパッツィアを作る
 3.アクアパッツィアを煮立てているうちに、トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼサラダを作る
 4.パンを焼いて添える
料理に合わせた仕込みの手際が良く、魚のさばき方が手馴れている様子に感心。
今どきの若い男の子で、丸ごと一匹の魚がさばける人は少ないのではないだろうか。こう君もビニールの手袋をして、時々「あ~気持ち悪い…」とつぶやきながら、専門の調理道具、ウロコ引きで魚のウロコを丁寧に取って行く。顔のまわりはペットボトルのキャップをつかって取る。これで取るとキレイに取れるのだそうだ。内臓は取りだした後、歯ブラシで掃除する。そんな知識は、みんな「ツイッターできくと、すぐに答えが来る」のだそうだ。さすがこの辺は今の子だ!
「先生(新井さん)が、魚のウロコがあると気持ち悪がるから、徹底的に取らなくては…」というこう君。料理はやはり食べる人のことを考えて作るのが基本だと思った。 住み込みはじめたころは、料理を全くしなかったらしい。5年ほどは全部外食で済ませていたが、二人の食費が膨大になったことと、外食は塩分と脂肪分が多くて、新井さんが体を壊したこともあって、自炊に切り替えたそう。
こう君は「料理はちゃんとは作ったことがないけれど、子どものころ仕度のお手伝いはよくさせられ、学生時代、カフェの厨房で仕込みをやったことがあったため、料理の基本は見聞きで身に着けた」とのこと。本格的に料理を始めるハードルはそれほど高く感じなかったようだ。やはり少しでも経験があると、料理をすることに抵抗がなさそう。男の子も子どものうちに躾けることが、やっぱり大事!と再認識。
買い物と調理は主にこう君が担当で、「先生の体調と好みに合わせて料理を考える」そうだ。最初のうちは煮物に5時間かかったりしたそうだが、よく作ることと同時に、料理の本を読んだり、ツイッターで教えてもらったりすることで、こう君の料理は格段に上達したらしい。

完成!

1時間前後で料理が出来上がった(普段はこれほどかからない)。
ソラマメの冷製スープ、トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼサラダ、 そしてメーンメニューのアクアパッツァ、トーストは数切れ。レストラン並みにきれいでおいしそうだが、男性二人の食べる量にしては、ちょっと少な目。
窓辺にテーブルを置き、向かい合ったふたりは、楽しそうにおしゃべりしながら料理を食べる。ワインも少し。食事になってこう君は、料理中は縛っていた長い髪をほどいて垂らす。レースのカーテン越しにチラチラする光に横顔を照らされているこう君の美しさは、監督が惚れ込むだけのことはある!と納得した。
新井さんは美味しそうに料理を食べながら、「今はレストランに入っても食べたい料理がない。やはりこう君が作った野菜たくさんの、栄養バランスが取れた消化しやすい料理に慣れてしまった」と、料理に満足そうだった。 私たちもちょっと味見をさせてもらったが、金目鯛とハマグリから美味しいダシが出ていて、感心するほどの美味しさ。専門のイタリア料理店にも負けていない味だった。

会社員 大澤新平さん自宅(女子会パーティー) 第3回目撮影 4月4日撮影 タイトル『女子会全力サポート』

この日の撮影は、設計事務所勤務の大澤新平(63歳)さん。 大澤さんは日本料理が得意。パートナー(内藤菊江さん)が、自宅でよくパーティーを催すので、その時は料理をいつも担当する。この日は夕方5時から8時ぐらいまで、10人ほどの女性が集まっての女子会(飲み会)を開く予定。みんな内藤さんと友達でもあり、大澤さんの友達でもある。午前中は買い物に出かける大澤さんを撮。徒歩10数分の距離にあるスーパーまでいつも歩いていくそうだ。健康のために歩くのだが、買い物が多いときは、両手に下げて帰るとへとへとになるらしい。
午後からは料理の下準備。1時ぐらいからかかってお客が来る4時半ごろまでずっと一人で料理をこなす。長時間の作業なのに、にこにこした笑顔が絶えなかった。「美しい(笑)女性たちが自分の料理を喜んでくれるのはうれしい」そうだ。 料理は女性たちに大絶賛された。大澤さんの表情には、「やった!」という達成感が溢れていた。 若いころの大澤さんはプロのスポーツ選手。カメラのコレクションが趣味で、写真撮影の腕もプロに負けない。海外のホテルに勤めていた経験があり、その時代にホテルの料理人から料理の技術を教わり、酒に合うような料理を中心に腕を磨いたそうだ。
取材中、「料理は公平に分担するべき」という主張とはウラハラに、厨房を独り占めし、そこを自分の城にして楽しんでいる様子だった。 但し食べ終わった後の後片付けは、パーティー参加者の仕事。その時になり、やっとゆっくり飲みながら美味しそうに自分の料理を食べる大澤さんだった。

ラジオ局元取締役 近藤清さん 第10回目撮影 5月25日・26日撮影 タイトル『単身赴任でも大丈夫!』

すばらしいパノラマが広がる光景

個人を9人撮影する予定の今回の映画だが(+50人の料理グループ)、今回は8人目の個人の撮影。今回は遠出をして、岐阜県高山市朝日町にある鈴蘭高原カントリークラブへ出かけた。ここの社長として単身赴任中の近藤清さん(65歳)の撮影だ。 5月25日は梅雨入り前のピーカン(快晴)で、注文以上の最高の撮影日和になった。撮影チームは元気いっぱい鈴蘭高原に向かって出発、高速道路を3時間余り走って鈴蘭高原クラブハウスに到着した。ここの建物は、御嶽・乗鞍岳をはじめとする北アルプス連峰、遠くには白山連峰のパノラマが眺望できる最高のビューポイントだった。近藤さんに「鈴蘭高原の景色はとってもいいよ」と聞いていた私たちだが、実際に見るとその景観に圧倒された。しばらくは撮影も忘れて見とれていた。空気が美味しく、風も爽やかで、まるで避暑かハイキングに来たような気持の良さだった。 まず最初は近藤さんの仕事姿を撮影するために、一緒にカートに乗ってコースを回った。撮影スタッフ全員がゴルフの素人なので、カートに乗ることも、ゴルフ場を回ることも初体験。私たちがさわやかな風とコースの見事な芝生、ところどころに咲いている花などに見とれている間(カメラマンはもちろん、ちゃんと近藤さんと風景を撮影していたが・・・)、近藤さんは芝生の状態をチェックしたり、周りの設備の状況を確認したりして、ゴルフ場経営者らしい注意を怠らなかった。

単身赴任でも大丈夫

近藤さんは民放ラジオ局の元取締役。その後系列会社の鈴蘭高原カントリークラブ社長に移られ、3年前から単身赴任の生活が始まった。単身赴任はこれで3回目。以前の単身赴任は東京だったため、食事はほとんど外食に頼り、それで体調を悪くしたという経験がある。それで今回の単身赴任が決まった時には、初めから「自分で料理を作ろう」と決めていたそうだ。 自然が素晴らしい鈴蘭高原には、都会のようにどこでもスーパーやコンビニ店があるわけではないし、外食も出来ないため、自炊しか選択の余地がないという条件もあった。中国なら(多分アジアのどこの国でも)、社長という肩書のある人が単身赴任したとき、炊事や家事をする使用人が付かないということは考えられないが、日本では「付くことの方が珍しい」ということだった。日本にいる中国人が冗談で、「日本は中国より進んだ社会主義国」ということがあるが、それはこんな習慣の違いから来ているせいもある。もっとも日本はアジアの国に比べ、人件費が高いせいもあるのだろうが。 近藤さんは自宅にいるときには、料理は専業主婦の奥様にまかせているが、「単身赴任の食生活にが、別に不安はなかったですよ」とアッサリ。なぜかというと、子どものころ、母親が病弱だったため、男ばかりの兄弟の末っ子の近藤さんは、買い物や食事のお手伝いをよくさせられていたので、料理の基本は身についているし、自分でやる事にも全然抵抗がなく、簡単な食事作りにもほとんど困らないからだそうだ。

自分で摘んで、自分で料理

週の半分は鈴蘭高原にいるので、名古屋と鈴蘭高原の間を車で往復する途中、滞在中の毎日の献立を組み立て、必要な食材だけを買い、宿舎の冷蔵庫に保存しておき、晩ご飯、朝ご飯を自分で作る。都会を離れた自然豊かなところでの一人暮らしの楽しみは、自生する山菜料理にもあると聞いていた。 今回の撮影の目玉は、この山菜料理。自分で山菜を摘んで、それを天ぷらにして料理するという。楽しみだ!山菜の識別や料理の仕方は、鈴蘭高原に来てからほとんど地元のスタッフに教えてもらったという。「自分で採ってきて、新鮮な季節の山菜を食べられる喜びは格別です。自然の恵みが鈴蘭高原の魅力の一つでもありますし、社長としての自慢でもありますよ。」と近藤さん。実際、その夜宿泊したホテルの料理は山菜がたっぷり使ってあって、大変おいしかった。近藤さんはすっかり高原の環境を気に入っているようだ。 仕事を終え、宿舎に帰った近藤さんは、山菜天ぷらを作るために、庭に出て山菜を摘みはじめる。山菜の代表格とも言えるワラビ、山菜の女王と言われるコシアブラ、ちょっと酸っぱいイタドリを摘む。どれも、食べたいとき好きなだけ摘めるほど、庭に豊富に生えている。 摘んだ山菜にはアクがあるため、下処理をしなければならない。ワラビは近藤さんが自宅から持って来た火鉢の灰でアク抜きをする。今日料理する分は、ちゃんと昨日からアク抜きが施してあった。 近藤さんは手早く天ぷらの準備を進める。天ぷらを揚げるのは主婦にとっても難しい技なので、近藤さんの料理の腕をイメージするのは難しかった。 揚げるのはテンプラ鍋でなく、ホーローの鍋だということにビックリ。ご本人は「ホーローの鍋は、あんまり温度が上がらなくていいんじゃないの」という自由な発想を披露。なるほど・・・。 着実な馴れた手つきで山菜がどんどん揚げられて行く。出来上がった天ぷらは、お店で出てくるものと変わらないくらい上等だった。薄い衣に包まれたワラビ、コシアブラ、イタドリ、タラの芽には透明感があり、塩で食べるとサクサクとしていて、いくらでも食べられそうな上等の天ぷらだった。実は山菜以外にも、チクワの天ぷらもあって、これも意外な美味しさでビックリ!これ以外の料理もあって、ワラビのカツオ節かけ、豚肉生姜焼き刻みキャベツとトマト添え、コシアブラご飯(さっと、湯通ししたコシアブラの葉を細かく刻み、化学調味料と塩を加えご飯に混ぜる)の3品も手早く作り上げられた。料理が完成するまでにかかった時間はほぼ1時間。お見事!

庭で飲み、食べる至福の時間

天ぷらの味見をした監督が、「すごくおいしい!早くビール飲みたい」と、近藤さんに料理の完成を急がせて、「撮影が大事か料理を食べるほうが大事か」と、スタッフも大笑い。 料理が出来上がっても、外はまだ明るかったので、天ぷらを庭にあるガーデンテーブルに運び、そのテンプラをつまみにして近藤さんはビールを飲み始めた。涼しい風が庭に吹き渡る。杉と白樺の新緑に囲まれ、野草が絨毯のように一面に広がっている。その景色の中で、自分が作った料理でビールを楽しむなんて、まさに至福の時間かもしれない。 「天ぷらを揚げる技はどこで覚えたんですか?」と聞くと、子どもの時、近くの市場にあったお惣菜とてんぷらのお店にへ良く行っていて、お店のおばあさんにはかわいがってもらって、そばによると味見をさせてくれるし、何となく大人のやっていることを覚えるようになったという答え。子どもの時の経験は意外に役に立ち、何となく覚えていたことでも、やったことのない人に比べ、ずっとうまくいくもののようだ。

朝の撮影とカッコー

鈴蘭高原の朝をカメラに収めるために、スタッフは5時には外に出た。都会だとずいぶん早い時間だが、高原の朝は既に太陽は高く昇り、林はその光を受けてキラキラとレースのように木漏れ日をこぼし、鳥たちの鳴き声はあちこち響いていた。 カメラを近藤さんの宿舎に構えたその時、一羽のカッコーの鳴き声が聞こえてきた。建物の横から目覚ましのようにリズムよく、「bugu bugu」(中国のいい方。日本語ならカッコー、カッコー)と鳴いている。まるで効果音のように見事な声にみんな喜んだ。 しばらくして、パジャマ姿の近藤さんが部屋から出てきて、朝食の撮影が始まった。 男性は朝食を食べない人が多いと聞くが、近藤さんは朝ご飯を自分で作ってきちんと食べる。今日の朝食は、パン1枚にチーズをのせたチーズトーストトマト添え、ヨーグルト、コーヒーという献立。簡単だけれど、 ちゃんと栄養が取れる健康的な朝ご飯だった。 昨夜テンプラで散らかした台所も、洗い物はすっかり終り、キチンと整理も出来て清潔に整っていた。ここまでできれば満点を差し上げたい!

男性の自立は家事の自立から

このように、近藤さんは、自分の食生活から部屋の掃除洗濯まで、全部自分でこなしている。しかもそれを全く辛いと感じていず、むしろ都会を離れた山の中の生活を楽しんでいるようだった。もし近藤さんが、家事が全然できず、独り暮らしが無理だとすれば、奥様は自分の生活をあきらめて近藤さんについてこなければならなかっただろう。近藤さんは自分の身の見回りのことをこなせるから、単身赴任をしてもらっても奥様も安心していられる。夫婦それぞれの人生があり、付き合いや楽しみもそれぞれにあるのだから、自分の都合で相手を引っ張り回さないこの選択は、とても素晴らしいと思う。 今回の映画は「男性の自立の重要な要素は家事。その中でも 料理(食生活が自分で管理できる)はとっても大事。その能力は出来れば子どもの頃から身につけさせるのがいい」というのがテーマのひとつなのだが、近藤さんの取材を通じて、その事が実感できた。 (完)

元テレビ局音響効果マン 高野裕夫さん 第6回目撮影 4月11日撮影 タイトル『フレンチはお好き?』

20時間の撮影の始まり

「厨房男子」の主人公の中、撮影時間がもっとも長くなったのはフランス料理を作る高野裕夫(65)さん。料理の全過程を撮影したことで、フランス料理を作る大変さを知り、お店で食べるフランス料理の値段が高いということにも納得できた。 4月11日土曜日、高野裕夫さんは自宅に友人を招き、フレンチのフルコースでもてなす予定。料理の仕込みは前日の夜中から始まる。それに合わせ、撮影は夜中の3時からスタート、料理人の高野さん、カメラマン、監督三人の20時間に渡る眠れない撮影が続く。 料理に必要な食材の一部は、生活協同組合の宅配に頼んだので、決まった時間に事前に注文した素材が届く。スーパーより値段はやや高いが、新鮮で品質が良く、買い物の手間が省ける。共働き夫婦にはありがたい仕組みである。高野さんの家庭は、30年前から生協を活用しているという。

繊細なフレンチ

フレンチは一品ずつ順番に出して行き、順番に味わうというやり方でサービスをする。全部の料理をいっぺんに食卓に並べる日本や中国、韓国料理とはずいぶん違う。順番 に出していくためには、料理ごとに出来上がりの時間を考え、準備の時間を計算する。またその調理法はとても厳密で、調味料や食材の分量もキチンと量る。例えば砂糖 は6.3グラムとか、バター89グラムとか、中華料理や和食のように、経験や勘を頼りに調味料を使うのではなく、科学実験のように正確な数字を守る。何度も電卓を使っ て食材全体の量から調味料やゼラチンなどの量を計算する姿は料理人には見えないぐらい。「フランス料理に一番必要な器具は電卓とタイマーです」という高野さんの言 葉は、本当だった!(タイマーは2つ使う) お客様は時々自宅に招いてフランス料理をご馳走する友人5人。みなさんフランス料理を食べなれていて、ワインもおいしそうに飲みながら会話が弾んでいた。 高野さんは料理作りだけではなく、テーブルセッティングもやり、お客様にワインと料理サービスをし、その間、出した料理の説明や、ワインの特徴と楽しみ方なども解説する。 休む暇もなくフル回転している高野さんを見て、体力と情熱がないとフランス料理は作れないんだなァ…と感心した。 お客様がお帰りになったのは料理の仕度が始まってから20時間後だった…フー、ご苦労様…。

テレビ局の音響効果マンからケータリングシェフへ

高野さんはその後のインタビューでフランス料理についての思いを語ってくれた。 高野さんの以前の職業はテレビ局の音響効果マン。40年間近くテレビドラマやドキュメンタリー番組の音響効果に携わってきた。結婚までは全く料理をしたことがなかったが、子ども2人が誕生してから共働きの妻に「教育」されて料理を始める。 ワインが好きで、ワインに合うフランス料理に興味を惹かれた。友人にプロのフランス料理のシェフがいて、シェフが休みの日に自宅へ来てもらい、フランス料理の基礎-ダシの引き方から魚のさばき方(和食とは使う包丁もさばき方も違うそう)、煮方、焼き方、ソースの作り方までマンツーマンで習い、休みの日はシェフのフランス料理店で手伝ったりするうちにフランス料理が得意になった(習い始めて20年たつ)。 60歳で仕事をやめてからは、フランス料理のケータリングの料理人になり、オードブルから最後のデザートまで1人でまかなえるようになったという。料理教室での講師もする。 現在作る料理はフレンチが中心だが、「友人やケータリングのお客様も高齢化してきて『フランス料理が重くなった』という声も出て来たので、今後は目の前で寿司を握るなど、和食のケータリングも考えている。寿司はもうだいぶ握れるようになりました」と笑っていた。 40歳まで全く料理ができなかった人でも、ここまでやれるようになるという事にビックリ!高野さんの例は、男性たちに夢をあたえることが出来るのではないだろうか。

会社員 高野裕樹さん 第2回目撮影 3月29日撮影 タイトル『36歳、料理暦は30年』

旅行会社勤務の高野裕樹さんは共働きの奥さんと二人暮らしで、料理の担当は裕樹さん。妻の弁当作りもやっているという。 仕事帰りの様子の撮影から始まり、帰宅後すぐに夕食の支度と夫婦二人の食事風景を撮影。料理は、冷蔵庫にある食材を調べるところから始まり、わずか30分で六品が出来上がり!どれもきれいで、美味しそう、しかも栄養バランスを考えたメニューの組み合わせになっていた。 インタビューでは、子どもの頃から両親に料理を仕込まれ、家庭料理を中心にほぼどんな料理もこなすという話が語られた。長年台所に立つ経験の積み重ねのおかげで、このような料理の腕が磨かれたという。子どもの教育と躾においても、保護者や教師には考えさせられるモデルだと思った。

「八風農園」経営 寺園風さん 第1回目撮影 3月28日撮影 タイトル「農園の風をとともに楽しむランチ」

3/28(土)の夕方撮影現場は、3月第4金曜日開催の『なやばし夜イチ』の“日本酒祭り”。 おいしい日本酒&食べ物&素敵な手作り雑貨などが集まる夜イチには、酒造メーカーが出すブースが並び、人々が次から次へ店を回って、様々な日本酒を楽しんでいる。お米から育てた「よいちオリジナル純米酒」を売るブースが今晩の撮影現場。 三重県いなべ市藤原町で農園を営む寺園風さんの撮影を行なった。「昨年の米作りから始まり、一年越しで作ったオリジナル日本酒を多くの方に飲んでもらうために、ブース作りにも力を入れました」との自己紹介。農園で、自分の作った野菜を料理する姿も、このあと撮影予定だが、「よいち」が純米酒としてデビューした様子をカメラに収めた。 私も名古屋に住んでいるが、このような夜市は知らなかった。4年前始まったそうで、たくさんの人が賑わい楽しそうだった。5枚1500円のチケットを買うと、ぐい飲みが一つ貰えるので、興味のあるブースで、そのぐい飲みいっぱいの日本酒が味わえる。コーヒー祭り、ビール祭りも夜市のテーマだそうで、この撮影のおかげでいいところを発見した。 人ごみにも負けず、ムービーのカメラマンは重いカメラを担いで一生懸命撮影していた。

「八風農園」経営 寺園風さん 第12回目撮影 7月5日撮影 タイトル「農園の風をとともに楽しむランチ」

純米酒「よいち」を育てた田んぼ

寺園風さんは、3月28日「なやばし夜市」で既に一度撮影している。その時は、寺園さんが栽培したお米(コシヒカリ)で作った日本酒、「よいちオリジナル純米酒」を売るブースでの撮影だった。 それから3ヶ月後の7月5日、三重県いなべ市藤原町の「八風農園」(寺園さん経営の農園の名前)の、稲を栽培している田んぼ、色々な野菜の植わっている畑で働く寺園さんの姿を撮影しに行った。もちろん、そこで収穫した野菜で作る料理撮影がメインであることは言うまでもないが・・・。梅雨のまっ最中と会って、雨を覚悟していたが、当日は雨模様ながらも雨は落ちてこず、逆に昨夜までの雨で、作物や周りに咲いた花が生き生きとして色鮮やか、葉っぱや花の上のキラキラ光る水滴なども撮ることができ、いい撮影になった。 早速、「よいち」の酒米にしたコシヒカリが植えられている田んぼに。ここは農業体験の場としても使われていて、折に触れ、関心のある数十人に呼びかけて、田植えや稲刈りなどの機会に来てもらっているという。その人たちは田んぼや農園を自分の目で見て、作業に参加することで、自分たちの口に入るお米や野菜がどんなふうにできているかを知り、収穫した農産物を直接販売できるお客になってくれているという。 寺園さんは田んぼでコシヒカリを、野菜畑で多品種の野菜やハーブなどを栽培している。 「どういう基準で野菜を植えるんですか?」と聞くと、「自分が食べたいな~と思うものを植えます。そうでないと、自信を持って人にすすめられないでしょ?」と、笑って言っていた。「売れるかどうか」よりも、自分が「おいしい」と思うものを栽培し、それに合った調理法も考え、自信を持って客に勧められるとものを作るのは、まさに農業の基本で、喜びにもつながるに違いない。明るい寺園さんの表情からは、そんな農業の楽しさが伝わってきた。

本日の収穫で作る料理

今日、畑で収穫できたものは、ズッキーニ(細長いものと丸型のもの2種)、キュウリ、リーフレタス、青トウガラシ、バジル、エゴマなど。少量、多品種が寺岡さんの栽培方針らしい。 どの野菜もみずみずしく綺麗で、摘んで見るとどれもいい香りがした。オクラの花がきれいに咲いていて、寺園さんは、収穫が楽しみだとにっこり。「植えた野菜が全部ちゃんと収穫できるとは限りませんが、野菜が実るのはほんとに嬉しいですね。」 野菜を一時保存している倉庫から、既に収穫していたジャガイモとペコロス(小さいタマネギ)を取って自宅に帰り、その素材全部を使って今日の料理が始まった。 寺園さんは、アジアを2~3年放浪した経験があるので、アジア風の料理が得意だという。
今日のメニューは
① ズッキーニのタイ風サラダ
長ズッキーニを細切りにし、塩を振ってしんなりさせ、ちぎったバジルを散らす。タイだと青いパパイヤを使うが、その代りとしてズッキーニを使う。少し柔らかいが、食感はよく似ている。ダイコンでも作るが、ズッキーニだとクセがないところがパパイヤと似ている。いいセンス。 味付けはナンプラー(魚の内臓を塩漬にしてエキスを絞った自家製のもの)とゴマ油。青唐辛子を小口切りにして散らすのがタイ料理っぽい。(後で食べたが、タイの唐辛子、プリッキヌー級の辛さだった!) それを、エゴマやレタスをひいた上に盛り付ける。 爽やかな味で、東北タイの朝ご飯を偲ばせる味。
② 丸ズッキーニのニンニクソテー
大人のコブシほどの丸ズッキーニを1センチほどの厚切りにし、先にニンニクを炒めたフライパンでじっくり焼く。味付けは塩だけ。とろりとしたズッキーニの甘さが引き立つ。
③ ペコロス、ジャガイモの蒸し物
皮をむいたペコロス、色とりどりのジャガイモ―赤いドラゴンレッド、紫のシャドークイーン、黄色のデストロイヤーなど)を竹製セイロでじっくり蒸しあげ、これに塩、自家製味噌、豆鼓醤などをつけて食べる。ペコロスはシャクシャクと、ジャガイモはホックリ、ネットリと種類によってみんな味が違っていて、食べていて飽きない。 野菜だけ、調理方法も、蒸す、焼くだけと大変素朴な料理なのに、どれも持ち味をよく活かしていて、ビックリするほど美味しい。 ふつう、肉も魚もない食卓はちょっと寂しい感じがするものだけれど、今日の食卓はすこしもそんな感じがせず、とても充実していた。 ちょうどお二人の友人の福本さん、大政さん、徳川さんの3人が遊びに来ていていっしょに食卓を囲んだが、みんな「美味しい、自然の味だ」と、大喜びで、モリモリ平らげていた。

赤ちゃんの離乳食は「パパの作った野菜」

寺園さんは、現在結婚3年目の奥様、紗也(さや)さんと暮らしている。名古屋市名東区でドイツパンの店「フライベッカ―サヤ」を経営する紗也さんとは別居結婚だったが、今年4月に赤ちゃん(山クン・2ヶ月)が産まれ、現在お店を休み、産休を取っているのでこちらへ来て一緒に暮らしている。 紗也さんの作るドイツパンは「本格石臼挽き全粒粉」が売り物。全粒粉とは小麦の表皮、胚芽、胚乳を全部使った粉で、栄養価も高い。この小麦はもちろん寺園さんが栽培したものだ。 山クンの離乳食は、パパが作った野菜で出来る・・・と、息子を育てるこの環境が、とても気に行っている紗也さん。都会育ちの若い二人だけれど、自然豊かなこの地域にすっ かり溶け込んでいるようだった。

寺園さんの将来の夢

寺園さんの将来の夢は、「すべての食材、調味料、肉までも、地元産のもので賄えるようにすること。」 お米は炊いて食べることも酒米として利用することも出来る。今回「よいち」というブランド名を付けて作りよく売れたように、付加価値をつけることが大事だという。小麦は既に紗也さんが経営している「フライベッカーサヤ」で使っている。醤油も味噌も作る。更に肉類は地元の資源を生かし、こちらの山で獲れる猪や鹿を地元のハンターから入手する。山羊を飼って乳を搾る、それらを使って自然食レストランを作る・・・・など、移住して2年目には思えないほど、寺園さんの胸にはこれからの農業の、さまざまなイメージがふくらんでいるようだった。

民放アナウンサー 富田和音さん 第9回目撮影 5月16日撮影 タイトル「家族の絆のカレー」

日本人の定番料理―カレー

この日の撮影は、CBCアナウンサーの冨田和音さん。冨田さんが作るのは、ビーフカレーと、それに添えるカルパッチッョ、アボカドサラダの予定。 これまで撮影した方々は、プロ並みの腕前の持ち主だったり、料理に特別なこだわりがあったり、たくさんの種類の料理を簡単に作ったりする人が多かった。イメージとしては、「自分のまわりにはあまりいない、料理が得意な男性」がほとんど。しかし今日、冨田さんが作る料理はどの家庭でもよく作られ、キャンプなどのイベントにもよく出てきて、男性でも作った経験がありそうなカレーなので、きっと見る人には親しみを感じてもらえるはずだと思う。 冨田さんのカレー作りは、学生時代から数えれば40年の歴史がある。 以前からずっと作り続けているので、カレーに関しては、奥さんと娘さんにも「我が家のカレー達人」と認定されている。 以前はほかの料理にも興味があり、10年ほど前には雑誌の企画で、プロから料理を教わる機会があったという。忙しい仕事柄もあって、その後なかなか家庭で料理をする機会がなく、冨田さんは「その時習ったことはほとんど忘れましたね」と苦笑。しかし包丁の使い方は慣れていて、ミジン切りなどとても上手い。柳刃包丁もプロ仕様で、習った料理の基本は身に染み込んでいるように見えた。テレビなどにも出るお仕事なので、カメラに撮られることは馴れていて、料理作るときの姿勢や手付きはとても格好いい。

カレーの秘訣は「妻が作らないこと!」

男性の料理作りは、食材の仕込みから味付けまで、レシピ通りにキチンとする事が多い。しかし冨田さんは本ではなく、自分が食べておいしいと思ったものを作りたいと思うので、食べたい料理の作り方を自己流で研究して作るそう。 奥さまのフリーアナウンサー、藤原淳子さんの話では、 「夫がカレーつくりが得意ということを結婚後に知ったので、それ以来、家族の食事も、来客の時も、カレーは夫に任せると決めました。私は家でカレーを作ったことは一度もありません。それが夫のカレーを進化させたんではないでしょうか」と笑っていた。カレーを任されたれた冨田さんは、そのレシピを家族の好みに合わせてどんどん変化させ、進化させてきた。 「妻の指導のおかげです」冨田さんも笑って言っていた。

娘のために

撮影は、「東京で働いていて、名古屋に帰省してきている娘のためにカレーを作る」という日にしてもらった。娘さんはお父さんの作ったカレーが大好き。子どもの頃から「家に遊びに来た友達にも、よくパパが作った自慢のカレーを食べてもらいました。今でも、冨田パパのカレーが懐かしいと友達がいうんですよ」と明るく話していた。 成長期の女の子は、たいてい「お父さん離れ」の時期があるが、パパの作ったカレーをずっと食べてきた娘さんは、そんな反抗期でもカレーによって心がつながっていたのかもしれない。大学生時代から東京で一人暮らしをしている娘さんは、実家に帰って来た時、必ずお父さんの作ったカレーをリクエストするという。残ったカレーは冷凍して持って行くそうだ。カレーのレシピを冨田さんに書いてもらい、東京ではそのレシピに従ってカレーを作っているらしい。キッチンの壁に貼りつけているカレーレシピの写真を見せてもらった。冨田さんが嬉しそうにカレー作りに励む理由の第一は、やっぱり「娘さん」にありそうだ。

カレーの特徴

肉は、牛スネ肉の塊と、味を深めるための豚肉のミンチの2種類を使うニンジンや玉ねぎを細かく切って入れる。 ジャガイモは使わない市販のカレールーを使うが、2~3種類を混ぜ合わせて使うなど。 ボリュームのある牛肉が好きな娘さんのために牛スネ肉を使うが、ひき肉も併用してコクを出す、ニンジンが苦手な妻のために小さく切って抵抗感をなくす、ジャガイモを入れるとドロッとしすぎるので入れない・・・など、家族の好みに合わせた結果が今のカレー。家族みんながおいしく食べるカレーは、冨田さんの家族に対する思いやりが積み重なった味のようだ。 今日はこのほかに「タイのカルパッチョ」(鯛の柵を買ってきて薄切りにして並べ、エクストラバージンオリーブオイル、バルサミコ酢、ワサビ、しょうゆなどを混ぜ合わせたソースをかける)「カニとアボカドのサラダ」(切ったアボカドをマヨネーズであえ、缶詰のカニをのせる)も手早く作り上げられ、カレーといっしょに並んだ。このサイドメニューも定番になっているそうだ。

料理作りを通じて深まる家事への理解

料理のできる男性は、子どもにいいお父さんと思われるだけではなく、外でも格好いい男性と評価される。 冨田さんは、「男どうしの会話の中でも、【料理できる】【できない】と自然にグループは別れ、できるグループの男たちは料理について、食材や調味料、値段まで語り合い、家庭サービスの体験談も交えて会話が盛り上がりますね」と話してくれた。 男性が家事全般に関わるという事はあまりないけれど、たとえ料理一つでもできると、家事への意識は必ず変わってくる。買い物や料理の仕度をし、一人で黙々と厨房の中で料理を作り、仕上がった料理の味について家族から批評を受け、台所をきれいに片づける・・・この過程を一通りやり遂げることを通して、家事の大変さと妻の苦労が身を持ってよく理解できるようになる。 何より、自分で料理が作れる男性はやはり格好いいし、家族にも必要とされる。そんなお父さんのいる家庭は、家族みんなが幸せそう…、 冨田さんの撮影を通してそう思った。

書家 墨拙さん 第5回目撮影 4月5日撮影 タイトル「なによりも酒を愛す」

これまでの撮影してきた人は、ほとんど「食べものに興味を持ち、料理が好きな男性」だったが、今回はちょっと違う。食事に関心は薄いが、酒をこよなく愛し、その為の肴作りは欠かさないという書家の墨拙(67)さんの撮影だった。 1人暮らしで公営住宅に住み、芸術活動(書と画)に専念する墨拙さんの一日を追った。まず自分の書や画を飾る額縁屋さん(GARO)から撮影スタート。ここでもう独特の美意識がわかる。続いて八事興正寺の縁日での買い物へ。あいにく雨だったが、雨の中の桜を楽しみ、新鮮な野菜を売っている移動販売車で肴の材料を仕入れた。わさび菜、黒色のニンジン、エディブルフラワー(食用の花)など、珍しい食材を買い込む。 墨拙さんは食事の支度をしながら、これも独特な「料理法」を見せてくれた。ゆでたホウレンソウをそれぞれ醤油とマヨネーズをかけ2種類の品が完成。 漬物、大根おろし、切っただけのニンジンなど、作る量も少なく野菜を中心としたもので、あっという間に小皿でテーブルが埋まるほどの数ができあがった。酒を引き立てる肴だが、魚や肉はほんの2,3切れだけで、あまり少量で質素な料理に驚いた。しかし本人は「これで充分」と満足そう。13時から夜22時寝るまで一人で酒を飲み続けるというのは日常なスタイルだという。なんと酒を飲む時間は一日のうち三分の一!しかし燗酒を美味しそうに飲みながら、窓の外の風景を眺め、移り変わる季節を感じ、作品を考えたりする姿は人生を充分楽しんでいるよう。部屋中には様々な形の「雨」の字の作品がかかっていて、「雨が大好き」と話す墨拙さんにはぴったりの、雨の日の取材になった。

男性パン教室(山内敏昭さん鈴木仁さん大川正明さん) 第4回目撮影 4月5日撮影 タイトル「パンの三銃士」

「イーストの会」パン教室

日曜日のパン教室。浅野由美子さんが主催する「イーストの会」という、 パン作りの会での撮影だった。場所は浅野さんのご自宅。 パン作りを習いに来たのは三人の若い男性たち。(大川正明さん、鈴木仁さん、山内敏昭さん)エプロン姿で先生の指示通りに粉を練りながら、パン作りをするようになった経緯と感想を話してくれた。 三人ともサラリーマンで、それぞれ友人に誘われ、月に1回(日曜日)のパン教室に通い始めたが、楽しくて気が付いたら7~8年経ったという。 今日作ったのは「雨と太陽のパン」と、「花びらの渦巻きパン」の2種類。 名まえだけでもステキなパンだ。

パン三銃士

2時間のパン作りの間、発酵と焼き上がりに何回か10分か20分の待ち時間が必要になる(ベンチタイムという)。その間、先生を交え、みんなでお茶を飲みながら楽しく雑談をする。パン教室に来るのは女性が多く、年齢や職業、経験も様々だが、この男性3人は「パン三銃士」と呼ばれているらしい。 段々焼き上がってくるパンの芳ばしい香りが漂う部屋で、お茶を飲みながら 仕事や趣味、家族の話など、いろんな情報を交換し合う。みんな仲がいいので、その時間が楽しいという。 パン作りのもう一つの魅力は、同僚とのコミュニケーションが円滑にできることそうだ。自分が焼いたパンを職場に持って行き、そこで食べてもらい、みんなが「美味しい!」と喜んでくれるのが、とても嬉しいという。職場にパンを持って行くことで、普段とは違う面を見せられ、「パンを作る人」と見られたら、それはとても「カッコいい!」。 三人とも、「パンを作り食べてもらうことで、人々とコミュニケーションが出来ることに、教室に来てから気づいた」と話していた。 撮影は、そんななごやかな様子が映っていると思う。 焼き上がってから試食させてもらったパンは最高の美味しさだった!

「ミューいしがせ」の皆さん 第8回目撮影 5月9日撮影 タイトル「定年後男子50人が取り組む怒涛のコロッケ作り」

愛知県大府市「ミューいしがせ」(石ヶ瀬会館)の調理室 いよいよ始まった「ミューいしがせ・料理グループ」の撮影 「ドキュメンタリー映画・厨房男子」は、料理を作る男性の姿をずっと追いかけているが、今までは主として1人ずつの料理の様子を撮ってきた。 実はこれから、男性の料理グループ(大勢の料理)の撮影が始まる。大府市にある「ミューいしがせ」の中の「男楽会」+「ミューいしがせ」料理教室参加者の合計およそ50人が、7月の夏祭りに2000~3000個のコロッケ作りをする過程を撮影する予定にしている。 撮影は、たぶん6~7回足を運ぶことになり、日数にしても7~8日かかる。 過程としては ① 5月 「バラを見る会」での料理提供(今回) ② 5月末~6月初旬 コロッケ用に作っているジャガイモ、玉ネギ収穫 ③ 6月 ワンディシェフの企画でコロッケ定食作り ④ 7月 コロッケ試作 ⑤ 7月 まつり打ち合わせ会議 ⑥ 7月17日 夏祭り前夜の仕込み ⑦ 7月18~19日 コロッケ作り本番 これだけ全部を追っかけ、撮影する予定。この様子を、映画の中の大きな山場にしたいと考えている 今回は、その第1回目の撮影だ。

手際よく準備から料理へ

朝9時、「ミューいしがせ」の広い調理室の中、エプロン姿の男性たちがキビキビと料理の準備を始める。この日の参加者は20名、4つの調理台にグループを分け、買ってきた材料を分配し、今回の担当者が作成した料理レシピの説明を受けたのち、12時までにおよそ40人分の料理作りがスタートした。 この日のメニューは3品。 ・巻きずし(ツナ、いり卵、カニカマ、キュウリをノリで巻く) ・肉じゃが(牛こま切れ肉、ジャガイモ、玉ネギ、ニンジン、糸コンニャク) ・豆腐けんちん汁(木綿豆腐、コンニャク、ダイコン、ニンジン、豚肉コマ切れ、油揚げ、ゴボウ、細葱) 今日の料理作りの参加者は、「ミューいしがせ」の自主グループ「男楽会」の会員のみなさん。7月のコロッケ作りの主力部隊になるメンバーだ。 主として定年後にこの会館で活動を始めた人たちで、会館が企画した3年間の料理コースを修了した後、「男楽会」を結成して、自主的に料理研究、活動を続けている。 今日は「ミューいしがせ」園内にあるバラ園の手入れをするボランティアグループ「バラを見る会」の人々のために昼食を作り、一緒に食べながら交流を進めることを目的にして企画されたという。男楽会のメンバーたちは自分の手料理でお客さんをもてなすという活動を、折に触れ行っている。

料理作りたけなわ

料理はまず野菜を切るところから始まった。ニンジンの大きさやキュウリの長さ、玉ねぎの厚さなどの寸法を「これでよかったかな?」と、仲間と確認しあったり、出汁(だし)を注意深く計量カップではかったり、決して手つきが鮮やかとは言えないけれど、みんなレシピにかかれている通り、ちゃんと料理を進めていく。 私たちのような主婦だと、「適当」「目分量」「味見をして調味料の量を決める」という事がほとんどで、めったに計量カップやスプーンを使うことはないのだけれど、「男楽会」のみなさんは、レシピに書かれた通りに食材のサイズを守って切り、味付けも調味料を丁寧に計って入れる。そんなオジサンたちの表情が、なんだか少年に戻ったように見えて、心が和んだ。皆さんが真面目に歩んできた人生が、料理をする姿勢から覗くことができたように感じた。

チームワーク

雰囲気は和気藹々。チームワークの良さでそれぞれの作業を分担する。 切ったり炒めたり、味付けしたり、それぞれの得意分野がある人は手本を見せたり、指示を出したりして料理は手際よくどんどん進む。 巻きずしは、やはりなかなか難しいらしく、あちこちで「あー、失敗だ」とか「難しいな」「具が真中に来ない」などという声が聞こえていた。この巻きずし、今までにもに取り組んだことがあるという事で、上手な人もけっこういて、具がきっちり真ん中に来て、形もピシッと出来ているのに感心。巻き方に自信のある人は、仲間にコツを教えたり、手伝ったりして、30本近い巻きずしも見事に完成!3時間後の12時には肉じゃが、豆腐けんちん汁もできあがり、3品の昼食メニューが完成した。 会議室は「バラを見る会レストラン」に変身し、「バラを見る会」のメンバーたちと一緒のランチが始まった。私たち撮影スタッフも、ご相伴にあずかることができた。 一人分の量は食べきれないほど多かったのだが、塩分も油も少なめにできていて、大変ヘルシー。年配の方にはピッタリのレシピだった。 第1回の撮影は無事に終了。皆さんの腕前はかなりのものだとわかり、 7月のコロッケ製作に向け、撮影の期待がたかまった。

「ミューいしがせ」の皆さん 第11回目撮影 6月10日撮影 タイトル「 大府の畑でジャガイモとタマネギの収穫 」

ジャガイモの収穫

6月10日、大府市で、ジャガイモ、タマネギの収穫の様子の撮影を行った。 今回の映画で、「ミューいしがせ」でコロッケを製作していただく「男楽会」「メンズカレッジ」の二つの料理教室参加者の皆さんは、コロッケ用として自分たちでジャガイモと玉ネギを作っている。それを収穫する予定日が今日になっていた。梅雨が始まり、連日の雨続きで「撮影に行けるだろうか・・・」と心配していたのだが、うまい具合に晴れてくれたので、収穫作業にも撮影にも最高の日になって一安心。

あ、あまりにもダサいふたり・・・(笑)

撮影の日は快晴に恵まれて、「ラッキー」と喜んでいたが、私たちはカンカン照りの青空の下での農作業に必要なものの知識が不足していた。 畑へ向かって出発する前、リーダーの本郷さんに、「熱中症になるから帽子がいるよ。もってる?」と確認された。私は帽子で出かける習慣があるが、監督の高野さんは「日傘を持ってくるのを忘れた」というのでたまたま持っていた大き目のスカーフを渡した。監督はそれを頭にかけ首の下に結んだ。だ、ダサい・・・。高野さんを見て思わず笑おうとしたところ、高野さんのほうが先に大爆笑。車から降りたカメラマンのノンちゃん(城間さん)の姿は、手拭いを頭に被った昔のお婆さんのよう・・・監督に輪をかけてののんちゃんのダサさに、「若い女の子が、なんでこんな格好するのよ~」と、監督は自分のことは棚に上げての大笑い。私も二人の恰好がおかしくておかしくて、笑いは長い事止まらなかった。 監督は「私は撮るほうで、撮られる方じゃないからいいのよ~」とイイワケしていたが、 それにしてもね・・・ 二人のとびっきりダサ~い姿を、ぜひ写真でお確かめください(笑)。

石川さんの料理歴

ジャガイモは「男楽会」メンバーの石川守さんが自分の畑で作ったもの。 石川さんの料理は熟練者のレベル、いままでの撮影でも、しばしば皆さんの料理をリードして目立っていた。石川さんが、それほど料理がうまくなったわけを聞いてみた。 石川さんはもともと料理に興味があったので、定年後すぐに料理教室に通った。「ミューいしがせ」の料理教室「メンズカレッジ」に入った時には、既に料理の基本が身についていてすぐ溶け込め、「男楽会」(「メンズカレッジ」で3年間の体験を摘んだ人が入会する自主料理組織)でも、余裕があった。料理を始めると、野菜作りにも興味が出てきた。ラッキーなことに、知り合いが広い畑を貸してくれて、1年中数十種類の野菜 や果物、そして季節の花を作るようになった。無農薬で有機肥料を使った野菜の栽培をなので、「スーパーのものより味がいい」と孫たちが言うそうだ。「ママより、おじいちゃんの料理がおいしい」と、料理の腕も褒められるので、ますます野菜の栽培と料理作りに拍車がかかるらしい。 「畑で汗を流し、また料理でも汗を流すけれど、毎日楽しいよ」と、石川さんは笑って話してくれた。 石川さんの畑には、「男楽会」リーダーの本郷武夫さんなど3人が手伝いにやって来ていた。 さて、ジャガイモの収穫が始まる。ジャガイモの枝と葉っぱを持ってを引っ張りあげると、根にはジャガイモがたくさんくっついていた。大きいものあり、小さいものあり・・・出来具合は「まあまあ」だそうだ。「小さすぎると出来が悪いが、大きすぎるとおいしくない」と言い、泥を落としたジャガイモを段ボールに詰め込んだ。20キロぐらいありそうだ。 私たち撮影スタッフへのお土産に、石川さんはわざわざよこの畝に残していたジャガイモを掘り起し、持たせてくれた。 お土産のジャガイモは、夕食時にそのままコンロで焼き、塩を振って出した。家族は、「おいしいおいしい」と喜んで食べ、石川さんのジャガイモは、我が家の夕食の楽しい話題になった。

次はタマネギ

タマネギ収穫の撮影は別の場所へ移動。「菜の花」というボランティア団体が管理している農地を利用し、コロッケ用のタマネギを栽培している。 7月の夏祭りに2500個のコロッケを作るのは、「ミューいしがせ」で活動するグループ「男楽会」と「メンズカレッジ」の二つのグループの共同作業。タマネギの栽培もこの2つのグループのメンバーが行なっている。今日の収穫にも二つのグループの20人ほどが参加していた。 苗を植え付けたのは昨年の11月、雑草対策でマルチング(黒いビニールで土を覆い、雑草が生えないようにすること)をして栽培している。だから収穫の時、黒いビニールを引っ張って取るので、なんだかビニールの上にタマネギが転がっているように見えた。収穫の方法と言っても道具もいらないし、抜く力もいらない、ただ拾っているような作業だった。 農作業の中には、一人の女性も交じっていた。日よけのマスクも帽子もしているので、顔は見えなかったが、実は「ミューいしがせ」会館の館長田端美知子さんだとわかり、びっくり。館長さん自らこうした作業にも参加するとは知らなかった。「皆さんの活動に、会館のスタッフはいつも協力していますよ。今日は皆さんの都合がわるかったので私だけ参加したんですよ」と、タマネギの細根を切りながら話してくれた。会館で活動 する人たちと、会館スタッフの息はピッタリ合っているようで、今までのいい関係を偲ばせた。 十数人の力でタマネギ収穫は2時間ぐらい完了。軽トラックに積む前、「タマネギを囲んで集合写真を撮りましょう」と監督の指示。映画撮影だということで、男性たちも素直に聞いてくれ、青空の下で、ちょっと恥ずかしそうながらも、少年のように 「1たす1は・・・にー」と、ニッコリしてVサイン! なごやかでいいシーンが撮れた。

活動に参加することで「大型ゴミ」から脱却

会館に戻ってきて、タマネギとジャガイモを会館の外の保管場所に運び、農具の片づけが終わって、テーブルに囲んでコーヒーを飲みながらホッと一息。カメラの前で自己紹介を。「メンズカレッジ」のリーダー中西敏夫さんにもこの活動に関わる経緯について聞いてみた。 中西さんは定年後の計画も特になく、活動をする気もなかった。家に籠って一年間がたち、そんな夫を心配した奥様が「ミューいしがせ」の料理教室のチラシを持ってきて、「ちょっと覗いてきたら・・・」と勧められたのがきっかけ。その後料理だけでなく、地域活動に参加したり、「ミューいしがせ」にたくさんある趣味の講座のうち、カメラや陶芸などに参加することで日々忙しくなった。「大型ゴミにならずに良かった」と、明るい笑顔の中西さんだった。 ジャガイモもタマネギも用意でき、コロッケの試作(7月4日)の次はいよいよコロッケ製作の本番が近づいてきた。 7月17日(金)―準備、18日、19日には夏祭りの本番だ! 気持を引き締めて頑張ろう!

トップへ戻る